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【ざっくりまとめ】必読!次世代インフラ「5G」の3つのできること&実現する未来とは

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2020年商用化!次世代移動通信「5G」

2020年に次世代無線通信技術「5G」の提供開始が予定されています。

総務省が2020年の実現を打ち出したのをきっかけに、国家目標としてNTTdocomoやソフトバンク、KDDIを中心に商用化に向けて取り組まれているのです。

 

昨今この「5G」という単語がさかんに飛び交っていますが、実際のところ何ができるのか、そして、それによってどのような未来が実現できるのか、ご存知ない方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

今回は、そもそもこの「5G」は何ができるのか、そしてそれによってどのような世界が実現されるのか、についてざっくり理解できるようご紹介します。

(ざっくりとした理解を目的としているため、技術的な説明の詳細は他メディアをご参照くださいw)

 

 

次世代インフラ「5G」の3つのできること&実現する未来

現在使用されている「4G」と比べて、「5G」は何ができるのかというと、主にこれから紹介する3つの特徴的な点があります。

 

① 大容量通信:膨大なデータを高速に通信が可能に

「5G」のできることとしてまず第一にあげられる点は、一度に膨大なデータの通信ができる、ということです。

 

eMBB (enhanced Mobile Broadband)という技術により、現在の「4G」では1Gbpsのみですが、一秒間に最大20Gbものデータを送信することができるようになります。

 

じゃあ、「5G」でたくさんのデータを一度に送れるようになって何が良いの?正直今も、スマホでYouTubeの動画を特にストレスなく見ることができるし、必要ないんじゃないの?と思いますよね。

 

では、この「大容量通信」という特徴によって、どのような未来が新たに実現されるのでしょうか。

 

リアルタイムVR体験の実現

この「5G」のできることである「大容量通信」により、リアルタイムなVR体験が実現されると推測されています。

 

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例えば、

・VR空間上でサッカースタジアムに実際にいるかのようにリアルタイムに観戦できる

・遠くの友人や家族、会社の同僚とVR空間上でリアルタイムなコミュニケーションをとる

・ロボットが見ている景色を見ながら危険な現場作業を自宅からできる

といった未来が実現されます。

 

このようなVR体験を実現しようとした際に課題としてあげられていた点は、「VR酔い」です。

ヘッドマウントをつけてVR空間にいると、気持ち悪くなってくるという現象です。

 

なぜ、このような「VR酔い」が発生していたかというと、主に視点の動きとVR映像とのずれ、が原因でした。

 

視線をずらした際に、その先のVR映像が遅れて表示されることで気持ち悪くなってしまうのです。

 

従来のモバイルネットワークでは、通信できるデータ容量に制限があり、どうしてもリアルタイムに映像を送ることに限界がありました。

 

結果として、ユーザーの視線に合わせて即座にVR映像を送ることができず、もっさりとなり「VR酔い」してしまうのです。

 

しかし、この「5G」の20Gbpsという「大容量通信」により、即座にVR映像を配信し、ユーザーにストレスのないVR体験が実現できるようになります。

 

と同時に、4K/8Kの高精細な映像を送れるようになり、さらに没入感のあるR体験を実現できるようになります。バーチャルな世界が「リアル」になりすぎて、帰ってこれなくなる世界になってしまうのです。 

 

② 「低遅延」:低遅延な高速通信が可能に

続いて、「5G」によってできるようになることの2点目は、高速な通信を高信頼で実現できるようになる「低遅延」です。

 

端末からアンテナまでの無線区間の通信は、現在の「4G」では10ミリ秒かかるところが、1ミリ秒で通信することができるようになります。

 

これによって、どのような未来が実現できるようになってくるかというと主だったところでは、以下があげられます。

 

安全な自動運転の実現

この「5G」でできることである、「低遅延」により、安全な自動運転社会が実現されると推測されます。

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現在、GoogleやToyotaなどが自動運転の実現に向けて研究開発を進めています。この自動運転の実現における課題の一つが、AIエンジンとの通信です。

 

自動運転では、実装方法は様々にありますが、主にクラウド上のAIが機能し、自動的に車を動かします。

 

取り付けられた前方向の映像や位置情報など様々な情報を車から取得し、AIが判断し車を操作します。

 

しかし、前述の通り「4G」では無線区間が10ミリ秒かかり、AIが機能するクラウド上まで到達するにはさらに時間がかかってしまうのです。

 

時速100Kmで走行する車であると、10ミリ秒の間に数十センチも進んでしまうことになり、数十センチ以上進んだ後でAIが判断しているとズレが生じ、危険が発生してしまう。

 

自動運転では、このようなAIエンジンとの通信という安全を脅かす課題が存在していました。

 

ここで、「5G」による高速・低遅延の通信技術が実装され、また、MEC(Mobile Edge Computing)と呼ばれる、ざっくり説明すると車に近いところに存在するAIに操作させる技術と組み合わさることで、

 

AIとのやりとり時間が短縮化され、安全な自動運転社会が実現されるのです。

 

③ 「多接続」:大量のデバイスを一度に接続可能に

そして、「5G」によってできるようになることの3点目は、大量のデバイスを一度にネットワークに接続できるようになる「多接続」です。 

 

mMTC (massive Machine Type Communications)という技術により、1平方Kmあたり最大100万デバイスをネットワークに接続できるようになるのです。

 

これによって、②で説明したような自動運転社会や、IoTのような大量のセンサーをネットワークに接続させるといった世界を加速させることができるようになります。

 

この3点目については、2022年以降に実装される見込みで未だ本格的な議論はなされていません。

 

「5G」の「4G」との違い 

参考まで、「4G」とのスペックの違いをまとめると以下になります。

 

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最後に

まとめると、「5G」により、このような「大容量通信」「低遅延」「多接続」の3点ができるようになり、これらにより、VRや自動運転、IoTといった未来が実現されるのです。

 

「5G」により実現される未来は一部しか紹介できませんでしたが、消費者の生活や企業のIT環境に多大なインパクトを与えると思っています。

 

特にインフラ周りのコンサルティングしている個人的な意見としては、企業のネットワークインフラをガラリと変えてしまう技術だと思っています。

この点については、また別記事で詳しく語りたいと思います。

 

本記事をまとめるにあたって、以下の本がかなり参考になったので共有致します。

モバイルネットワークに詳しくなりたい方は必読だと思います。